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国際ブランドカードとは

VISA

国際ブランドの最大手。世界的には Masterと並ぶ2大ブランドで、世界中に9億人の会員をもち、加盟店ネットワークは2431万店と多く、世界のカード売り上げシェアで60%以上をVISAが占めている。

日本においては当初VJAのみが加盟店を開拓したという経緯もあり、VISAインターナショナルが日本信販(国際カードビジネス協会)にも直接ライセンス供与を行ったのを皮切りに、数多くの企業と積極的に提携を行った。現在日本でのシェアはJCBに次いで2位となっている。

MasterCard

VISAと並ぶ代表的な国際ブランド。世界中に約5億2千万人の会員をもち、加盟店ネットワークは2299万店、世界のカード売り上げシェアで30%弱を占めている。1966年設立。

現在、VISAとMasterの両陣営に同時加盟しているカード会社が加盟店開拓を行う)事が多いため、VISAが使える店舗ではMasterCardも使えることが多い。日本においては、アコムや武富士といったノンバンクにも門戸を開放しライセンス供与を行ったり、積極的なCM攻勢と提携先を選ばないブランド供与を行い勢力拡大を図っている。

JCB

日本唯一の国際ブランドホルダー。日本のカード会社として1981年に初めて海外に進出。アジア各国を中心に独自の加盟店網を拡大し、韓国や台湾、香港、シンガポール、マレーシア、タイなどでは VISA や Master並みの加盟店がある。世界189の国と地域で978万店の加盟店ネットワークを展開している。国際クレジットカードの利用シェアは0.9%ほど。

国際ブランドであると同時に日本最大のカード会社であるため、国内での利用は申し分ない。特に地方などではJCBしか使えない店も散在するほどだ。

日本では自社およびJCBグループ(フランチャイズ)以外のカード会社にもライセンス供与(加盟店開放・ブランド発行会社)を行い、提携先を通じたカード発行も行われている。発行枚数は5,000万枚を超え、億の大台を目指している。

Diners Club(ダイナースクラブ)

世界で最初に登場したとされる汎用型のクレジットカードがダイナースクラブ。会員には企業経営者やエグゼクティブ層が多いのが特徴。クレジットカード会社の中では、特に厳しい入会基準を設けている。ほとんどの自社発行カードに利用限度額を設定していない。一般の人が利用するような店で加盟店となっているところは少なく、大中規模小売店や高級店を中心に利用可能店が多くなっています。このためステータスが高いブランドといわれている。国際クレジットカードの利用シェアは0.4%ほど。

現在はシティグループに属し、日本ではシティカードジャパンが発行している。シティバンクの富裕層向けのカードという位置づけが濃くなっている。

アメリカン・エキスプレス (AMEX)

トラベル&エンターテイメント系の代表的な国際ブランドカード。世界120カ国1700箇所のトラベルオフィスのきめ細かなサービスを提供している。

細かく細分化されたカードのグレードとそれに応じた年会費が特徴で、ブルー、グリーン、ゴールド、プラチナというセグメントで顧客層をカバー。プラチナを上回る「センチュリオン」が実績により発行される。「センチュリオン」はカードの色からブラックカードとも呼ばれています。

自社発行のカードではグレードに応じた利用限度額を設定していないが、実際には顧客ごとに限度額は設定されている(額は問い合わせ要)。

これまではプロパーカードのみを発行していたが、今はクレディセゾンやトヨタファイナンス、香港ではイオンクレジットサービスの現地法人に対してもライセンス供与を行っている。カードフェイスはローマ兵士で有名。

クレジットカードキャッシングの仕組み・注意点と対応時間の比較

早急にまとまった額のお金が必要になったとき、あなたならどうしますか?

「貸してくれる人を探す時間もなく、銀行や消費者金融のローンを申込む時間もない」

こんなときは、クレジットカードのキャッシングが便利だと思います。

カードのキャッシングなら、申込みも審査も不要です。

カードさえあれば、銀行やコンビニのATMから現金を引き出すことができます。

しかし、これまでクレジットカードのキャッシング機能を利用したことがない場合、いくら借りられるのか、金利手数料はどのくらいなのか、どうやって利用すればいいのかなど、わからないことは多いですよね。

そこで今回は、急な出費に備えて知っておきたいクレジットカードのキャッシングについて、金利の相場から利用方法、メリットや注意点まで気になるところを調査しました。

ショッピングとキャッシングの違いを教えて!

クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠があります。

ショッピング枠とは

ショッピング枠は、その名の通りカードで買い物や支払いをするときの限度額です。

例)
ショッピング枠30万円のカードなら、最大30万円まで買い物できる

1回払いなら手数料は無料ですが、分割払いとリボ払いの場合は手数料が発生します。

キャッシング枠とは

一方、キャッシング枠とは、カードでお金を借りるときの限度額です。

例)
キャッシング枠30万円のカードなら、最大30万円まで借入れ可能

こちらは利用すれば、必ず金利手数料が発生します。

キャッシング枠はショッピング枠に含まれている

キャッシング枠はショッピング枠に含まれています。

たとえば、ショッピング枠60万円、キャッシング枠20万円のカードがあるとしましょう。

このカードで50万円の買い物をしたら(ショッピング枠を50万円使ったら)、キャッシング枠は10万円まで下がってしまいます。

ショッピング枠60万円、キャッシング枠20万円のカードを利用した場合、利用額に応じて枠がどのように変化するかまとめてみました。

ショッピングの利用額

ショッピング枠(残り)

キャッシング枠(残り)

10万円
50万円 20万円

20万円
40万円 20万円

30万円
30万円 20万円

40万円
20万円 20万円

50万円
10万円 10万円

60万円
0万円 0万円

ちなみに、同じカードでキャッシングを利用した場合は下記のようになります。

キャッシングの利用額

ショッピング枠(残り)

キャッシング枠(残り)

10万円
50万円 10万円

20万円
40万円 0万円

いくら借りられる?

キャッシング枠の金額は、カードごとに異なります(カード申込時の審査で決まります)。

一般的に、信用度が高い利用者ほど、大きな枠をもらえるのです。

ただし、通常は20万~30万円程度に設定されることが多いようです。

自分のカードにいくらキャッシング枠が設定されているかわからない場合は、カードの利用明細かカード会社のホームページ(会員ページ)を確認しましょう。

例)楽天カードの会員ページ

楽天カードキャッシング枠(例)

もしキャッシング枠がついていなかったら、改めてカード会社に申込む必要があります(カード会社の会員ページや電話から申込めます)。

もちろん審査があるので、枠をもらえない可能性もあります。

また、すでにあるキャッシング枠の増額を申込むこともできますが、こちらも審査があります。

審査の結果、枠を減らされるリスクもあるので要注意です。

金利手数料はどのくらいかかるの?

カードの種類やキャッシング枠によって異なりますが、多くのカード会社が年18%を採用しています(枠が100万円以上の場合は年15%)。

大手の消費者金融と同程度の金利ですね。

自分のカードに設定されている金利手数料がわからない場合は、カードの利用明細かカード会社のホームページ(会員ページ)を確認しましょう。

利用方法は?

利用方法は下記の2つです。
1ATM・CD
2ネットキャッシング

(1) ATM・CD

各カード会社が提携している金融機関やコンビニのATM・CDを利用できます。出先で利用できるのは便利なものの、手数料がかかるのが玉にキズです。

ATM・CD利用時の手数料

借入額 1万円以下:100円(税抜き)
借入額 1万円超:200円(税抜き)

キャッシング利用可能な提携ATM

ATMの操作方法

ATMの基本的な操作方法についてみていきましょう。
1最初の画面で「クレジットカード」もしくは「お引き出し」ボタンを押す
2クレジットカードを入れて、暗証番号を入力
3「借入れ」ボタンを押す(ない場合もある)
4返済方法について、「1回払い(※1)」か「リボ払い(※2)」を選ぶ
5希望の借入金額を入力
6カード、現金、利用明細表を受け取る

※1
機種によって表示が異なる場合があります。
例)キャッシングサービス、1回払い、一括払い など

※2
機種によって表示が異なる場合があります。
例)カードローン、ローン、リボ払い、リボキャッシング など

(2) ネットキャッシング

各カード会社の会員ページや電話から申込むと、直接口座に振込んでもらえます。

呼び名はカード会社によって異なりますが、「ネットキャッシング」「オンラインキャッシング」としているところが多いようです。

この方法ならどこからでも申込めますし、ATMと違い手数料もかかりません。

どのカード会社も対応している?

ネットキャッシングはどこのカード会社でも対応しているのでしょうか?

大手20社のネットキャッシングの可否と「申込み後、いつ振り込んでくれるのか」について調査しました。

カード会社

ネットキャッシングの可否

申込み後、いつ振り込んでくれる?

JCB
○ 平日9:00~14:30…数分後
平日0:00~8:59…当日9:00以降(20分以内)
それ以外…翌営業日の9:00以降(20分以内)

ジャックス
○ 平日0:00~11:59…当日
それ以外…翌営業日

三井住友カード
○ 平日8:50~14:49…即時
平日0:00~8:59…当日午前中
それ以外…翌営業日午前中

三菱UFJニコス
○ 翌営業日の12:00以降

オリコカード
○ 平日13:30まで…当日(最短30分)
それ以外…翌営業日

ビューカード
× -

イオンクレジットサービス
○ 【振込先がイオン銀行の場合】
即時

【振込先がイオン銀行以外の場合】
平日9:00~15:00…即時
平日0:00~8:59…当日午前中
それ以外…翌営業日午前中

楽天カード
○ 【振込先が楽天銀行の場合】
最短数分

【振込先が楽天銀行以外の場合】
平日9:00~14:49…最短数分
平日0:00~8:59…当日9:00以降
それ以外…翌営業日9:00以降

セブンカード・サービス
○ 平日9:00~14:30…数分後
平日0:00~8:59…当日9:00以降(20分以内)
それ以外…翌営業日9:00以降(20分以内)

ポケットカード
○(電話のみ) 翌営業日

クレディセゾン
○ 平日9:00~14:30…数十秒後
平日0:00~8:59…当日9:00以降
それ以外…翌営業日9:00以降

UCカード
○ 平日9:00~14:30…数十秒後
平日0:00~8:59…当日9:00以降
それ以外…翌営業日9:00以降

セディナ
○ 【振込先が楽天銀行の場合】
毎日0:15~23:30…即時

【振込先が楽天銀行以外の場合】
平日9:00~15:00…即時
平日0:15~9:00…当日9:00~10:00
それ以外…翌営業日9:00~10:00

ライフカード
○ 平日0:00~10:00…当日中
それ以外…翌営業日

リクルート
提携カード会社「JCB」、「三菱UFJニコス」を参照

SBIカード
○ 【振込先が住信SBIネット銀行、楽天銀行、三井住友銀行、ジャパンネット銀行の場合】
24時間即時
※ 三井住友銀行は、日曜 20:50~翌 7:10を除く
※ ジャパンネット銀行は、第3金曜23:00~翌7:00を除く

【振込先が三菱東京UFJ銀行の場合】
平日8:55~18:50…即時

【振込先がみずほ銀行の場合】
平日8:40~15:50…即時

【振込先がりそな銀行の場合】
平日8:55~15:50…即時

【振込先が上記以外の銀行の場合】
翌営業日

NTTファイナンス
× -

エポスカード
○ 平日9:00~14:29…最短数十秒
平日0:00~8:59…当日9:00以降
それ以外…翌営業日9:00以降

JALカード
提携カード会社「JCB」、「三菱UFJニコス」を参照

ANAカード
提携カード会社「JCB」、「三菱UFJニコス」を参照

会員ページからのネットキャッシング申込方法

一例ですが、会員ページからネットキャッシングを申込む方法を紹介しましょう。
1カード会社のホームページから、会員ページへログイン
2「ネットキャッシング(※3)」を選択
3本人確認のため、パスワードを入力(入力しないこともある)
4希望の借入額を入力し、「キャッシング一括」か「リボ返済」を選択
5申込内容と振込先口座に間違いがないか確認
6口座へ振込まれる

※3
カード会社によって、名称が異なる場合があります。

返済方法は?

返済方法は、「一括」と「リボ」の2種類となります。

一括

カード会社の締切日までの借入金額と利息が、翌月口座から引き落とされます。

イオンカードの例)
1月11日~2月10日までの利用分は、3月2日に引き落とし

リボ

借入残高に応じて、毎月一定額(元金と利息)が口座から引き落とされます。

イオンカードの例)

借入残高

月々の返済額

1円~10万円
3,000円

10万1円~20万円
6,000円

20万1円~30万円
8,000円

30万1円~50万円
15,000円

一括とリボ、どちらで返済したほうがいいの?

当然ですが、一括で返済したほうが利息は少なく済みます。

たとえば、下記の条件でキャッシングした場合をシミュレーションしてみましょう。

借入額:10万円
金利:18%

これで、一括とリボ(※4)、それぞれの方法で返済していく場合 支払総額はどうなるのでしょうか。

※4
ここでは、毎月1万円と利息を支払い、支払回数10回で支払い終えるケースを想定しています。

一括:10万1,479円
リボ:10万8,130円

ご覧のとおり、一括で支払うと6,000円以上の利息を節約できます。

リボにすると支払期間が伸びるので、利息を多くとられてしまいます。

可能なら一括返済すべきでしょう。

なお、こちらでリボ払いを計算したらとんでもなく損をしていた話を紹介しています。

繰上げ返済は可能?

一括での返済が厳しい場合は、やむをえずリボ払いを選択するしかありません。

そうなったら、毎月の引き落としを待つだけではダメです。

余裕があるときに繰上げ返済をおこないましょう。

繰上げ返済をおこなえば、その分は元金にあてられるので、返済期間が短縮され、完済がはやまります。

結果的に利息を節約できるのです。

ここで、大手20社が「繰上げ返済に対応しているか」調査し、下記にまとめてみました。

カード会社

繰上げ返済の可否

主な繰上げ返済方法

JCB
○ 提携ATM

ジャックス
○ 提携ATM

三井住友カード
○ 提携ATM

三菱UFJニコス
○ 指定口座への振込み

オリコカード
○ 提携ATM(ATMから繰上げ返済できるのは、リボ払い専用クレジットカードのみ)
指定口座への振込み

ビューカード
○ 駅のATM「VIEW ALTTE」

イオンクレジットサービス
○ 提携ATM

楽天カード
○ 指定口座への振込み

セブンカード・サービス
○ 提携ATM

ポケットカード
○ 指定口座への振込み

クレディセゾン
○ 提携ATM

UCカード
○ 提携ATM

セディナ
○ 指定口座への振込み

ライフカード
○ 指定口座への振込み

リクルート
提携カード会社「JCB」、「三菱UFJニコス」を参照

SBIカード
オンライン支払いサービス

NTTファイナンス
△(繰上げ返済は、カード会社が認めた場合のみ可能) -

エポスカード
○ エポスATM

JALカード
提携カード会社「JCB」、「三菱UFJニコス」を参照

ANAカード
提携カード会社「JCB」、「三菱UFJニコス」を参照

ただし、繰上げ返済する際は、返済方法によって所定の手数料がかかるのでご注意ください。

例)
提携ATMの場合:前述のように、100円~200円(税抜き)
振込みの場合:所定の振込手数料

まとめ ~クレジットカードキャッシングのメリットと利用時の注意点~

ここまでクレジットカードのキャッシングについてみてきましたが、最後にクレジットカードキャッシングのメリットと利用時の注意点をまとめたいと思います。

メリット
持っているカードにキャッシング枠があれば、申込みも審査もなしですぐキャッシングできるので、急な出費にも対応可能
利用方法は簡単(ATMを利用するか、電話・会員ページから申込めば口座に振り込んでもらえる)
海外で利用することもできる(海外でのクレジットカードキャッシングについてはこちらをご確認ください)

注意点
キャッシング枠を設定してもらえないこともある(審査で判断される)
ショッピングの一括払いとちがい、キャッシングは一括払いでも日割で金利手数料が発生する
キャッシングを利用すると、その分ショッピング枠が減る
返済方法をリボにすると、支払期間が延びるため 多くの利息を支払わなければならない
繰上げ返済に対応していないカードもある

また、クレジットカードのキャッシングは、銀行のカードローンに比べて高金利です。

銀行カードローンの金利(例)

三菱東京UFJ銀行カードローン
1.8~14.6%

三井住友銀行カードローン
4.0~14.5%

みずほ銀行カードローン
2.0~14.0%

住信SBIネット銀行MR.カードローン(プレミアムコース)
1.59~7.99%

このように、銀行カードローンの金利は、高くても15%を切るところが多いです。

なかには、住信SBIネット銀行Mr.カードローンのように低金利のローンもあります。

返済が長期に及ぶ場合は、このような低金利ローンの利用を検討してください。

カードローンを利用するなら、申込みも審査も必要になりますが、余裕のあるときに申込みカードを発行しておけば、いざというときにすぐ借入れできますよ!

クレジットカードのキャッシングは手軽に使えて便利ですが、やはり金利は安くないので、利用する際は必要な金額だけにとどめ、できるだけ早く完済してしまいましょう。

最後になりますが、人気カードのキャッシング機能(金利・限度額など)の比較ページや、クレジットカードキャッシングと消費者金融の比較ページもありますので、よかったらあわせて読んでみてください。

残高スライド方式とは?

残高を確認する男性

融資を受けたら、その後は毎月の返済が待っています。少額であれ高額であれ、無理なく確実に返済を進めるには、返済方式についてきちんと理解する必要があります。あやふやなままで月々の返済金、借入残高を理解していては、まったく返済が進んでいなかった、という想定外の事態を招きかねません。

毎月の返済をきちんと済ませるためにも、次の融資も気持ちよくサービスを受けるようにするためにも、返済方式について正しく理解しましょう。ここでは、ちょっと複雑な残高スライド方式について解説します。

残高スライド方式とは?

リボルビング払いという言葉を聞いたことがあるかと思います。リボ払いともいわれますが、この方法は毎月一定額を返済していく返済方法です。この方法は毎月の返済金が一定で変わることがないので、分かりやすいといえますが、借入残高が高額になると元金がなかなか減らない、というデメリットがあります。元金残高が高くなれば、利息も高くなるため、毎月一定額を返済しても元金がなかなか減らず、いつまでたっても返済が終わらない、という不本意な事態を生じさせるのです。

最初に50万円を借りて、月々1万円ずつ返金したとします。しかし、その返済金は利息の支払いに回されるため、10回10万円支払っても利息分のみの返済で元金は48万円、なんてこともあるわけです。これはいくら何でも借りる側が不利となってしまいますよね。

こうした事態を解消するため、各キャッシング会社は残高スライド方式を採用しています。つまり、毎月の返済金額を残高にあわせてスライドさせていく仕組みです。残高スライド方式には3種類あり、どの部分をスライドするかで返済額が決まってきます。

残高スライド方式には4種類ある

残高スライド方式には、元金が借入残高によってスライドする元金定額リボルビング方式と、利息が借入残高によってスライドする元利定額リボルビング方式、そして定率が残高によってスライドする元金定率リボルビング方式と元利定率リボルビング方式の4種類があります。

元金定額リボルビング方式

一定額の元金と合わせ、それに対する利息を支払う仕組みの返済方式です。

元利定額リボルビング方式

指定した金額を一定額毎月支払い、その中から利息を差し引き、元金返済に充てる仕組みの返済方式です。

元金定率リボルビング方式

借入残高に決まった割合をかけた分を元金返済に充当し、それとプラスされた利息を支払う方式です。

元利定率リボルビング方式

元利定率リボルビング方式は、元利が定率ですので、借入残高に応じて毎月の返済額の割合を設定します。

まとめ

残高スライド方式は、借入残高が多いときは返済額も多くなります。また残高が減るに応じて、返済額も減少するという仕組みです。

月々の返済が低負担というメリットもありますが、返済金が元金に回る分が少ないため、なかなか元金が減りません。けっこう我慢を要する返済方法です。借入残高が少なくなったとき、返済金を元金に回せるので、元金の残高もようやく減っていく、という多少の我慢を必要とするのがネックであるといえます。

返済方法を一度決めてしまうとその方式にのっとって返済額が決まるので、キャッシング利用するときは返済方法も含めてサービス内容と会社を選びたいですね。

法定金利について

お金を借りるとき、法定金利について知っておくことが肝心です。法律では、お金を貸し付ける業者に上限を上回る利息を付けないよう定めています。この法定金利の範囲内でしか金利は付けられず、もしそれ以上の利息を支払っていた場合は無効となり、返還請求の対象となります。
法定金利は出資法と利息制限法によって規定されています。2010年の貸金業法の改正により、出資法と利息制限法の上限金利が同水準となりました。利用者にとっては利息範囲が明確となり、高利に悩まされる心配がなくなったといえるでしょう。ここでは、利息の払いすぎを防ぐために理解しておきたい法定金利について分かりやすくご説明します。

法定金利について
出資法の上限金利
出資法の正式名称は、「出資の受入れ、預かり金および金利等の取り締まりに関する法律」です。限度を超える金利の貸し付けや、不特定多数の業者からの出資金借り入れを禁止した法律となっています。2010年に貸金業法の改正にともない、上限金利が利息制限法に合わせて20%に引き下げられました。
利息制限法の金利規定
上限金利を設けた法律は出資法の他に、利息制限法があります。利息制限法では、元本額に応じて設定できる金利が明確に定められています。
元本10万円未満…20%以下
元本10万円以上100万円未満…18%以下
元本100万円以上…15%以下
上記を見れば分かるように、元金額にかかわらず金利は20%まで、そして元金が高いほど、金利は抑えられます。出資法でも上限が20%に定められていますので、すべての融資サービスの上限金利は20%であり、それを上回る金利は違法ということになります。この点を踏まえてお金の借り入れをするようにしましょう。
グレーゾーン金利とは?
貸金業法の改正前までは、出資法の上限金利は29.2%でした。利息制限法で定められた20%とは大きな開きがあり、その空白を利用して高い金利を貸し付ける業者が横行しました。いわゆるグレーゾーン金利の問題は、二つの法律の齟齬から生じたともいえます。
法改正により、このグレーゾーンが撤廃され、法定金利が明確となりました。お金を借りる個人などは、法律によって支払うべき金利が明瞭となったので、以前より低負担で融資を受けられるようになったといえるでしょう。
過払い金の請求
上限金利を上回る金利の貸し付けで、払う必要のない金利を支払った場合は、法律的に無効であり、この分は業者に返還請求ができます。もし、違法に金利を支払った可能性があれば、司法書士もしくは弁護士などに相談するといいでしょう。過払い金支払いの時効は10年ですので、身に覚えのある方は早めに相談ないし手続きを取ることをおすすめします。
主なキャッシング会社の金利について
カードローンやキャッシング、クレジットサービスでもお金を借りる際、金利が発生します。金利はそれぞれの申し込み条件やキャッシング会社の規定によって異なりますが、一般的に銀行のカードローンのほうが金利は低く、アイフルやプロミスなどの消費者金融系のキャッシングは銀行より3~4%金利が高めに設定されています。金利が低い分、融資額も低いことが予想されます。それぞれの借り入れ条件に見合ったサービスを選ぶ必要がありそうですね。
まとめ
お金を借りるときに必ずついてくるのが利息です。貸金業者に支払う手数料ともいえます。しかし利息はお金を貸す側が一方的に設定できるものではなく、きちんと法律で定められているものですので、融資を受けるときは法定金利について正しく理解しておくと、無駄に支払うなどの損害を防げます。
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元本一括返済とは?

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ローン会社などから融資を受けたとき、自分にあった返済方法を選ぶことは重要です。返済計画に見合わない返済方法を選ぶと、予定した通りに返済が進まなくて逆に借金を増やしてしまう、なんて事態も想定されます。
借金を返す方法の一つに、元本一括返済方式というのがあります。コーポレートローンなどにおいて利用されている返済方式ですが、具体的にどういう方法なのか、メリット・デメリットも含め、分かりやすく説明します。
元本一括返済方式とは?
借り入れ先に返済するお金は、元金と利息とに分けられます。元本一括返済方式とは、利息分だけ毎月支払いし、元金分は満期日に一括して収める方法です。借入期間の満期日までにまとまったお金を用意する必要があるといえます。
利息はどうなる?
利息は、決められた期間ごとに支払う必要があります。たとえば、毎月利子分だけ支払う契約であれば、月々に利息分の支払いだけは済まさなければなりません。
どんなときにふさわしい方法か?
月々の返済はできるだけ少額で抑えたい、という方に便利といえるでしょう。まとまったお金が入るまで時間がかかる、また、満期日までには確実に一定のお金が準備できるという方が選択しやすい方法です。
元本一括返済方式のメリット
この方法のメリットは、毎月の支払いが利息分だけで済むので、返済計画にゆとりが生まれます。また、利息分だけ支払っている間、貯蓄をしたり、お金の工面を図ったり、満期日までまとまったお金を準備する期間が作れます。しかし、満期日までには必要な額だけ準備する必要がありますので、自分の返済計画に確実な自信がある人にとっては有効な方法といえるでしょう。
元本一括返済方式おデメリット
元本一括返済方式のデメリットですが、返済計画に狂いが生じた場合、満期日に返金する元金を揃えるために、別のところから融資を受けるケースも考えられます。その場合の融資をつなぎ融資といいますが、一般的につなぎ融資は利子が高く設定されることが多いです。
毎月利子の返済を怠らず、満期日に備えて貯蓄をしたとしても、その期間に急な入り用が発生しないとも限りません。病気が判明して大きな手術が必要になった、生活上なくては困る電化製品が故障して買い直しが必要になった、など、緊急な事態が起こらないとも言えませんので、その場合は満期日の元金支払いが重くのしかかる状況も覚悟しなくてはなりません。
まとめ
元本一括返済方式は、満期日までに元金を支払う目途が立っている人などには有効な返済方法といえるでしょう。逆に、満期日にまとまったお金を揃える自信がない、という方は、苦しくても月々の利子の返済に加え、元金も少しずつ返す方法が利口かもしれません。
満期日までに資金繰りの目途が立っている人でも、不測の事態が発生するケースも考えられます。万が一利息支払期間中に大きな出費が発生して元金の支払いができなくなった場合、つなぎ融資で高い利息分を支払うことになりますので、返済計画はあらゆる事態を想定して間違いなく返済を進めることが肝心といえるでしょう。
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