月別アーカイブ: 2011年4月

破産したら携帯電話も没取されるのか

破産すると破産者が有する一切の財産は破産管財人が管理・処分することになりますが、破産管財人が管理、処分しない財産もあります。

これは自由財産と呼ばれていて、この自由財産に該当するものに関しては、破産者が白由に管理・処分することがでぎます。

白由財産には次のものが含まれます。

①99万円以下の現金及び裁欄所が白由財産と認めた財産
②差押え禁止とされている財産
③破産管財人が財団から放棄した財産
④破産宣告後に破産者が新たに取得した財産

そして、民事執行法では、衣服・寝具・家具・台所用具・畳及び建具などを生活に欠くことができないものとして差押え禁止財産に挙げています。

また、家財道具は生活に欠くことができないものですから、破産しても墓本的には家財道具まで取られることはありません。

そして、差押え手続費用にも充たないような価値が低い財産の差押えも禁止しています。

携帯電話は売却しても差押え手続き費用に充たないでしょうから、差押さえ禁止財産に含まれ、破産者が白由に管理処分することが可能であり、没収されることはありません。

破産するとヤミ金からのDMや電話が増える理由

破産が認められると破産した人の住所・氏名が官報に掲載されます。

そして、ヤミ金融は官報の情報を基に破産者の名簿を作成している業者から名簿を買って、破産した人にダイレクトメールで送ってくるのです。

また、電話番号は官報に掲載されませんが、これまでヤミ金業者がお金を借りたことがある人はヤミ金業者間で顧客名簿が流通しているため、この名簿を元に勧誘の電話がかかってくることになります。

自宅に送られてくるダイレクトメールについては、しばらくすると送られて来なくなるので、無槻するしかありません。

電話については、あまりにも勧誘がひどければ電話番号を変えると良いでしょう。

このように破産者に対してヤミ金融からダイレクトメールや勧誘の電話がを増えるのは、破産する人は借金を止められない人が多く広告効果が高いこと。

また、1度免責を受けると原則として7年間は再度の免責は受けられないので、貸したお金が貸倒れになる可能性が低いという理由のためです。

破産したら会社を辞めなければならないか

破産した場合、それまで持っていた資格が制限され、警備員、保険外交員など一定の業務に就くことはできない事があります。

しかし、一般の会社の場合は、破産したからと言って退職する義務はないし、会社が退職を強要することもできません。

ただし、勤務先が金融機関の場合には、被産するほどの借金を作ったことが金融機関の従業員としての適格性の問題となり、それが解雇事由となりうる余地はあります。

しかし、勤務先が金融機関でなく一般的な業務をする会社であれば、通常は破産したことが業務の適格性に影響を与えるとは思えませんので、会社が「破産したこと」を理由にその従業員を解雇することは難しいでしょう。

なお、「破産したら破産したこと会社に分かるのか」不安になると思いますが、破産しても破産者名が官報に掲載されるだけで、会社に対して裁判所から社員が破産したことを知らせる通知が行くわけではありませんので、会社に分からないまま破産手続きが終了することはよくあります。

ただし、その破産者が会社からお金を借りている場合は、会社も債権者の1人になるので、裁判所から通知が送られることになります。

その場合には、自分が破産したことを会社側が把握することとなります。

破産したことが会社に分かってしまうと、会社に居づらくなるかも知れません。

しかし、破産することで借金を整理して生活を立ち直らせようとしているのに、ここで職を失うと再ぴ生活が破綻することとなるので、例え立場上つらくても会社にしがみついて生活を安定させるべきでしょう。

担保とは

担保には、「人的担保」と「物的担保」があります。

「人的担保」とは、保証人や連帯保証人の事を指し、債務者(お金を借りる人)がお金を返せなくなった際に、債権者(お金を貸した人)が債務者の代わってお金を返してくれる人をあらかじめ用意させ、返済の確実性を増すために設定するものです。

また、「物的担保」とは、債務者が不動産の所有権や株式など有価証券などを担保として提供することで、債務者がお金を返せなくなった際に債権者が担保を売却、あるいは担保とされた物の所有権を得ることで、債権者に返されるべきお金に充当するための物です。

白紙委任状を取られたら

「貸金業者は、公正証書を作成するための委任状を取得する場合に白紙委任状を取ってはならない」と貸金業規制法20条で定められています。

これは公正証書は裁判手続きを経ずに直ちに強制執行ができるため濫用の危険性が大きいからです。

さらに金融庁事務ガイドラインでは、公正証書を作成するための白紙委任状全般について、その取得は貸金業規制法で禁止している不正・不当な手段に該当する恐れが大きいとしています。

このため法に準じて貸金業を営んでいる貸金業者であれば白紙委任状を取ることはありません。

もし契約の際に白紙委任状を取られたというのであれば、その貸金業者は違法な業者である可能性が大きいので警戒が必要です。

白紙委任状を使って公正証書を作成された場合、それは直ちに強制執行ができるという強い効力があるだけでなく、公証人によって作成された書面だけに信用性も高いとみなされます。

そのため、あとから委任は無効であるとして争うことは非常に難しいのが実情です。

そこで、まだ公正証書が作成されていないのであれば、「委任契約は原則として各当事者はいつでも解除できる」という点を利用して、委任を解除する旨の通知を内容証明郵便で出しておくべきです。

しかし、すでに公正証書を作成されている場合には、公正証書の無効を主張して請求異議の訴訟をするしかありませんが、これはかなり困難を伴うことを認識しておかなければなりません。