金融機関から借入をするとき、必ず資金使途を書かせられます。
お金を借りるのが事業者であれば、機械購入資金とか、短期運転資金とすることが多いでしょう。
また、お金を借りるのが個人であれば、教育資金とか、リフォーム資金とすることが多いでしょう。
このようにお金を借りるときに資金使途を書かせられるのは、主に次のような理由によります。
①融資したお金がどのように使われるかは、貸付金の回収の成否に影響するため。
例えば、「機械購入資金」とすると、金融機関は「機械購入により生産能力が高まり、収益が上がることから資金回収は可能であろう」と判断して融資します。
②貸付金を好ましくない資金に使うことを防ぐため。
使途を「ギャンブル」と書いた場合、それは社会通念上好ましくない資金となるので、金融機関は融資しません。ただ、消費者金融業者のなかには、ギャンブルに使うことを薄々承知しながら、「生活費のため」と書かせることも使途の記載が形骸化している場合もあります。
このように資金使途を書かせてその使途を把握ることは、融資する側にとっては非常に重要なことであり、金銭消費貸借契約書には、「資金使途を偽った場合には期限の利益を喪失させ、一括で返済する」という条項が入っていることがあります。
このような条項が入っている場合に、資金使途を偽ったことが分かった場合は、金融機関が貸したお金を一括して返済するように求められることがあるので、十分に注意すべきでしょう。