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年金支給日は偶数月の15日。年金生活の注意点3つ

公的年金の支給は2か月に1回!

年金生活に入ると、やりくりの仕方が変わる!

年金生活に入ると、やりくりの仕方が変わる!

公的年金の支給日は、偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日です。前月と前々月の2か月分(年金額の6分の1の金額)を、指定した金融機関の口座に振り込んでくれます。15日は金融機関がお休みだった場合は、支給日は前日の14日に前倒しされます。

年金の支給は、どうして2か月ごとの年6回なのでしょうか?理由は定かではありませんが、事務手数料を抑えるためが有力だそうです。今の年6回支給に変更されたのは約30年前のことで、それまでは年3~4回だったそうです。変更理由は「年金受給者のサービスの改善を図るため」でした。

サラリーマンだった人は、月1回の給料・1か月単位で家計管理をしているので、年金生活に入ると勝手が変わってきます。そこで、年金生活に入った直後の家計管理で注意して欲しい点を3つあげました。

注意その1 2か月に1回の年金でやりくりする必要がある

年金の支給が2か月に1回になると、家計のやりくりのペースが変わります。それまでの1月単位のやりくりを2か月単位に長くするか、または、半分の年金で1か月ずつやりくりするかのどちらかの方法で管理することになります。どちらかというと後者の方法の方がいいかもしれません。やりくり期間が2か月と長くなると、つい前半で使い過ぎてしまうことが多いからです。どちらの方法でも、自分に合ったやりくり法を試行錯誤しながら確立していくことになります。

注意その2 ボーナスはない!

サラリーマンは、基本的に年2回、ボーナスをもらえます。それで、毎月の生活費の不足分を補ったり、ちょっと高額な買い物やレジャー費用に充てたりしていたでしょう。しかし、年金生活になると、当然のことながら、ボーナスはなくなります。ボーナスをあてにしたやりくりをしていた人は、それができなくなります。

年金生活に入る数年前から、ボーナスは丸ごと貯蓄できるくらいのボーナスに依存しない訓練をしておくといいでしょう。

注意その3 退職金をもらって気を大きくしない!

退職金というまとまったお金をもらうと、つい気が大きくなってしまい、今まで我慢していた高額なモノを買ってしまったり、趣味にお金をかけてしまったりすることがあります。年金生活に入るまでに十分な貯蓄ができなかった人にとっては、退職金は最後の砦です。なるべく減らさないようにしましょう。

まだまだあるdカード・dカード GOLDの魅力とは?

dカード特約店を利用しよう!

クレジットカードには特約店があり、特約店で利用すると通常のクレジットカードのポイントとは別に多くのポイントが付く店舗があります。

例えば、ENEOSdカード払いすると通常の2倍のポイントJALの航空券をJALのサイトやカウンターでも通常の2倍のポイントコナカやフタタでの買い物時は通常の3倍のポイントを獲得できます。

dカードの還元率は1%ですから2倍だと2%3倍だと3%のポイントを獲得できるということです。

dポイントクラブのステージを理解しよう!

dポイントにはステージ制があり、半年間のdポイントの獲得数に応じてステージが変わります。6ヶ月で600ポイント未満の獲得の場合はレギュラー、600ポイント以上、3000ポイント未満の場合はブロンズ、3000ポイント以上、1万ポイント未満の場合はシルバー、1万ポイント以上の場合はゴールドとなります。

さすがにドコモ利用者には優遇があり、ドコモ回線の利用年数に応じて、ステージアップが可能となります。ドコモを10年以上利用しているとブロンズステージ、15年以上利用しているとシルバーステージにランクアップ。

dポイントクラブのステージ判定方法

dポイントクラブのステージ判定方法


ただし、何年利用してもゴールドステージにはなりません。dカードの決済だけでゴールドステージになる1万ポイントを獲得するには、半年で100万円の利用が必要ですので、正直ゴールドステージになるのは難しいでしょう。

しかし、裏ワザがあるのです。dカードdカードゴールド保有で一気にステージアップすることができます。dカード保有の場合はブロンズステージに、dカード GOLDの場合はゴールドステージにワープが可能です。ドコモ回線で1年未満の利用者でもdカード GOLDを保有していれば15年以上利用しているユーザーを飛び越し、一気にゴールドステージです。

dポイントクラブのステージ判定方法

dポイントクラブのステージ判定方法


この辺りは、ドコモ利用歴18年の筆者には正直微妙な設定ではありますが。

ステージごとの特典は?

スペシャルクーポン、プレミアムクーポン

スペシャルクーポン、プレミアムクーポン

シルバーステージやゴールドステージで受けられる特典を紹介したいと思います。ブロンズステージ以上で利用できる特典はスペシャルクーポンです。スペシャルクーポンとは、映画館やレジャー、スポーツクラブ等の施設で使える入場券やチケットの優待が受けられます。

例えば、TOHOシネマズのチケットは通常1800円のところ500円引きの1300円で購入可能、よみうりランドワンデーパス(3歳以上)1200円引きの2800円で購入できるなど、年会費が実質無料のdカードを保有しているだけでスペシャルクーポンの特典を受けられます。

シルバーステージ以上で利用できる特典はプレミアムクーポンです。プレミアムクーポンは抽選となりますが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのドコモラウンジ利用券が当たったり、東京ディズニーリゾートのデイパレード「ハピネス・イズ・ヒア」優先鑑賞席の特典が付いたパークチケット(ペア)が当たるなどの特典があります。

dカードを使いこなすと、ポイントだけでなく、多くの割引特典を受けることができるようになります。

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リボ払いの仕組みと特徴とは?注意点をわかりやすく解説

そもそもリボ払いってどういうもの?高額な金利手数料と返済時のリスクとは?

最近では、ポイントを貯めるために、さまざまな支払いをクレジットカードに集約させている人も多いもの。クレジットカードには、「一括払い」「ボーナス払い」「分割払い」「リボ払い」などの返済方法があります。このうち一括払いとボーナス払いは金利手数料がかかりません。ただし、高額な電化製品などをクレジットカードで購入した場合、一度に返済は難しいため、分割払いやリボ払いなどを利用するケースも多いでしょう。

クレジットカードには、「一括払い」「ボーナス払い」「分割払い」「リボ払い」などの返済方法があり

クレジットカードには、「一括払い」「ボーナス払い」「分割払い」「リボ払い」などの返済方法がある



リボ払いは、毎月1万円などと支払金額をあらかじめ決められるため、例えば1カ月に複数の買い物をした場合でも、月々の支払額は一定額に抑えられるので、クレジットの返済計画は立てやすくなります。

ただし、「毎月の返済額は決まっているから」と、無計画に買い物をしていると、利用残高がどんどん増えて、いつまでも返済が終わらない……ということにもなりかねません。

そもそもリボ払いの仕組みとはどうなっているのでしょうか。わかりやすく解説します。

また、キャッシングの特徴については以下の記事を参考にしてください。

【関連記事をチェック!】
キャッシングとは? 借りるときの注意点とカードローンの違い

リボ払いは利用残高が多いほど利息で損をする

リボ払いの特徴は、毎月一定の支払額を支払うという方法です。金利手数料は利用残高に応じて発生します。ちなみに毎月支払う金利手数料の計算式は以下のとおりです。

利用残高(元本)×手数料率÷365日×30日※
※支払い間隔が30日の場合


分割払いは、最初に支払い回数を決めるため、買い物が重なった場合には、1カ月当たりの支払額が増えることになります。リボ払いは、最初に毎月の支払金額を決めるため、買い物が重なった場合にも、1カ月当たりの支払金額は増えません。

「毎月の支払額が変わらない」点をメリットととらえて、リボ払いを選択する人も多いのですが、毎月の支払金額が一定という点が、リボ払いの「落とし穴」なのです。

もし、1カ月当たりの支払額を抑えた金額にしていると、リボ払いで買い物をするたびに利用残高が増え、なかなか減っていきません。金利手数料は使った分にではなく、利用残高に対してかかるため、利息相当分も高くなって損をしてしまいます。

つまり、買い物やさまざまな支払いをクレジットカードに集中させていると、利用残高はいつまで経っても減らず、高い金利手数料の支払いがずっと続くというケースに陥ってしまうのです。

支払期間の終わりが見えないということにも

リボ払いを利用していると、利用残高や支払い方法はどのようになっていくのでしょうか。具体例で解説していきましょう。

[例]毎月の支払額1万円のリボ払いを選択し、継続してリボ払いでの買い物を行う場合。
 
5月…利用残高3万円        /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
6月…利用残高2万円+買い物1万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
7月…利用残高3万円        /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
8月…利用残高2万円+買い物10万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
9月…利用残高11万円        /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
10月…利用残高10万円+買い物5万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
11月…利用残高14万円       /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)


このように、クレジットカードを利用するごとに利用残高が増えていくため、どの買い物に対して支払いが済んでいるかなどを把握することが困難になってしまいます。そして、利用残高が増えるほど金利手数料がかさむため、返済総額が増えていき、元本部分の返済がなかなかできずに、金利手数料ばかりを支払うという事態になってしまうのです。

リボ払いの2つの支払い方法とデメリットを知っておこう

リボ払いの支払い方法には、「定額方式」「残高スライド方式」があります。まず定額方式ですが、支払残高がいくらでも、毎月支払う元本の返済額は変わらないというもの。利用残高が増えるとその分支払期間も延びていき、期間中はずっと金利手数料がかかります。

残高スライド方式は、決められた利用残高のランクに応じて、毎月支払う返済額が増えたり減ったりするというもの。例えばあるカードの場合、以下のように支払い元本が変動します。

ショッピングリボ払い 残高スライド方式の場合

ショッピングリボ払い 残高スライド方式の場合


つまり、リボ払いの利用状況を毎月きちんと確認しておかないと、あるときから毎月の支払額が増えてしまうということもあるのです。

リボ払いを利用するときには、こうしたデメリットをきちんと把握しておくことが大切です。楽天カードほか、さまざまなクレジットカードのリボ払いでは、ボーナス時期など余裕があるときに繰り上げ返済をしたり、支払いコースの変更などができるケースがあります。現在リボ払いを利用している人は、一刻も早く残高を減らすようにすることが大切なのです。

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独身・シングルお悩み34歳

■相談者
Kさん(仮名)
女性/会社員/34歳
大阪府/賃貸住宅
 
■家族構成
一人暮らし
 
■相談内容
転職したばかり、まだ契約社員なのでボーナスがありません。離婚して7年、再婚を希望していないので一人で生きて生きたいが、貯金が少ないのが悩みです。年間100万以上貯めたいので、休日の副業も検討しています。定期預金の金利も低く、リスクを取って投資信託に回すべきか、もしくは、毎月の貯金額を個人年金保険へ一部回すべきか、どうすればもっと貯金できるか悩んでます。
 
■家計収支データ

相談者「K」さんの家計収支データ

相談者「K」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)今後の収入について
来年春に正社員転換の話が出ているとのこと。
面接があり、それに通ればなれると思われるとのこと。
正社員となった場合、少なくとも給与2万円アップ、
ボーナス年間40万円(手取り)にはなる予定。
 
(2)加入保険について
・本人/定期死亡保険(死亡保障500万円、保険期間30年)=毎月の保険料797円
・本人/医療保険(終身保障終身払い、入院1万円、手術給付金あり)=毎月の保険料3403円
 
(3)副業について
内容はまだ未定。コンビニや居酒屋などで、週1、2回、月2~3万円程度を考えている。
 
(4)定年と退職金について
定年60歳。企業型の確定拠出年金の制度あり。
 
(5)相続について
実家はあるが相続は妹へ譲る予定。
 
(6)生活の楽しみについて
無趣味だが、自宅でドラマやDVDを見るのは好き。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 今は貯蓄が少なくても老後資金の心配なし
アドバイス2 企業型401kにマッチング拠出してもいい
アドバイス3 副業より本業に専念するべき
 

アドバイス1 今は貯蓄が少なくても老後資金の心配なし

もっと貯蓄を、もしくは投資も含めた金融資産を増やすにはどうしたらいいか、というご相談ですが、過去の家計管理は別として現状、ボーナスがなく、賃貸住宅に住んで月8万円の貯蓄は十分に立派です。さらに、来年春に正社員に登用される可能性が高いということで、もし実現すれば、支出が増えない限り、貯蓄ペースが年間50万~60万円は上がります。

仮に年間150万円が定年まで続けば、投資商品の価格変動がないとして、3750万円。今ある金融商品と合わせて、約3900万円。そこに企業型確定拠出年金を加算すれば、用意できる老後資金は4000万円超となるはずです。今は貯蓄額が少ないと感じるでしょうが、将来についてはほぼ不安はないと言えます。
 

アドバイス2 企業型確定拠出年金にマッチング拠出してもいい

では、具体的にどう増やしていくべきか。もちろん、元本保証で確実に貯めるのもひとつの方法ですが、Kさんがすでに実践しているように、貯蓄の一部を運用に回すことはいいと思います。貯蓄と投資は同額ですが、予定時期の決まった支出もないようですし、今はその割合でもいいでしょう。
 
ただし、現在、投資信託を積立で購入されていますが、制度として「つみたてNISA」を有効活用した方がいいと思います。投資限度額は年間40万円ですが、大きなメリットである運用益等の非課税期間が20年間あり、長期投資に向いています。実際の投資は「つみたてNISA」用に選ばれた複数の投資信託(金融庁の基準をクリアした投資信託やETF。現在160本ほど)から選択する形になります。幅広く選べない反面、逆に数が絞れているため選びやすさもあると言えます。ただし、一般のNISA同様、損益通算はできません。
 
また、勤務先に企業型確定拠出年金(401k)にマッチング拠出(加入者が事業主の掛金に上乗せして拠出)していくのもひとつの方法。勤務先の掛金と同額まで掛けられる上、全額所得控除の対処となりますので、節税効果も高まります。
 

アドバイス3 副業より本業に専念するべき

気になる点としては、まず保険ですが、定期死亡保険は不要でしょう。独身のため、一般にはお金を遺す必要性がないからです。よく言う「お葬式代」は、貯蓄から捻出してもらえばいい。保険料は少額ですが、解約でいいと思います。

個人年金保険の加入もメリットはありません。Kさんはそもそも貯蓄ができる人ですし、予定利率も低いまま、今後20年、30年と掛けていくのはもったいない話です。
 
それと、貯蓄のために副業を考えているという点。私はおススメできません。十分に貯蓄ペースは高いですし、来年、正社員になり、その仕事を継続して、とくに転職する理由がなければ定年までは少なくとも勤務することが、今後のマネープランでもっとも優先すべきことです。無理に働いて本業がおろそかになったり、健康を害しては元も子もありません。ぜひ本業に専念してください。
 
加えて、これはFPの領域外かもしれませんが、長く元気に働くためにも、タバコは止めることが望ましいと思います。いろいろストレスもあり、その発散になっているとは思いますが、健康面では百害あって一利なし。老後も健康であるかどうかが、マネープランに大きく影響します。「一人で生きていく」ならなおさら、健康は大きな要素になるはず。支出から見ても、月1万円のタバコ代も定年まで続ければ計300万円。ぜひ検討してみてください。
 

相談者「K」さんから寄せられた感想

アドバイスありがとうございます。幸い、特に今の家計で我慢しているという事も無いので、このままのペースで継続しようと思いました。また副業についても、再考し、まずは本業に力を入れて正社員で頑張ることを目標にします。タバコについても、すぐには難しいですが、さらに貯蓄を増やすために禁煙も頑張ってみます。本当にありがとうございました。

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夫50歳、子ども6歳。老後資金と教育費が重なる

■相談者
とんとんさん(仮名)
女性/専業主婦/40代
関東/持ち家・一戸建て

■家族構成
夫(会社員/49歳)、子ども(6歳)

■相談内容
老後資金の準備と教育費のかかるときが重なり、ボーナスは多い時と少ない時の差が激しいです。月に3万円~5万円は確実に貯金してボーナスで年間40万円は貯蓄し、年間100万円貯蓄を目標としています。今年家を建てました。9年後の一時払い養老保険満期金で繰り上げ完済するか、住宅ローン控除が切れる10年後に繰り上げ完済をする予定です。以上で教育資金と老後資金は足りるでしょうか? 老後資金を貯めるために、できれば月5万円を目標としている貯金のうちの2万3000円をiDeCoにしたほうが良いのか迷っています。それとも、夫は50歳になるので、リスクは取らずに毎月コツコツ貯蓄をした方がよいのでしょうか?どうかご教授願います。

■家計収支データ

相談者「とんとん」さんの家計収支データ

相談者「とんとん」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)加入保険の保険料の内訳
[夫]
・医療保険(終身保障、払込期間65歳まで、入院5000円)=保険料3600円
・終身保険(払込期間58歳、死亡保障650万円、解約返戻金70歳時430万円)=保険料2万1000円 
・終身保険(払込期間65歳、死亡保障250万円、収入保障特約60歳まで月10万円支給、解約返戻金70歳時180万円)=保険料1万2000円
・一時払い養老保険(58歳満期、満期金640万円)=払込終了
・個人年金保険(60歳から5年確定、年金64万円)=払込終了
[妻]
・医療保険(終身保障終身払い、入院5000円)=保険料3300円
・がん保険(終身保障終身払い、入院5000円)=保険料1万1500円※年払い
[子ども]
・学資保険/計3本(17歳満期300万円、18歳満期300万円、22歳満期200万円)=すべて払込終了

(2)住宅ローンとその他コストについて
・借入額1200万円
・10年固定/金利0.8%
・20年返済
・固定資産税額(年額) 15万円

(3)定年と退職金について
退職金制度はないが、そのかわり定年もない。本人が望むなら何歳でも働くことが可能。

(4)お子さんの進路について
大学まで公立を希望するが、場合によって高校、大学は私立でも仕方がないと思っている。また、大学が自宅通学ができない場合、仕送りはするつもり。

■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 教育資金は保険でほぼ用意できている
アドバイス2 「長く働く」ことが有効な老後対策
アドバイス3 住宅ローン控除よりも繰上返済の方が有利な場合も
 

アドバイス1 教育資金は保険でほぼ用意できている

まず、ご主人60歳までのキャッシュフローを試算してみます。貯蓄ペースは年間100万円ですから、11年間で1100万円。それに9年後に養老保険の満期金が640万円を受け取りますから、今ある貯蓄と合算して2340万円。

この間、繰上返済での住宅ローン完済も予定されています。養老保険が満期となる9年後か、住宅ローンの控除期間が切れる10年後(11年目)のどちらかということですが、ここでは10年後に実施したとします。そのときのローン残高は642万円ですから、残りの資金は1764万円(59歳からの1年間、住宅ローンの支払い分がない分を加算)。さらに、クルマの買い替えやその他の不定期な支出も考慮して、60歳のときに手元に残る資金は実質1400万円とします。

教育資金については、大学にかかる費用が4年間で私立文系は390万円、私立理系は520万円が平均額ですから、学資保険の満期金800万円で十分足りると考えていいでしょう。高校卒業までに教育費が今よりアップ(進学塾費用、部活動費用など)することが想定されますが、それでも範囲内に収まると思います。

次に老後資金ですが、貯蓄以外に保険商品で60歳以降に老後資金に回せるものとして、個人年金保険の年金が総額320万円あります。また、終身保険も中途解約すると、解約返戻金が2本で610万円。先の1400万円に加算すれば、計2330万円。退職金制度が勤務先にないとのことですから、これが老後資金ということになります。
 

アドバイス2 「長く働く」ことが有効な老後対策

では、この額で老後資金は足りるでしょうか。ひとつの目安として、老後の生活費が今とほぼ同額とすると、18万~19万円(ボーナスから支出に回っていた分を月割りに加算)。公的年金の支給額が不明ですが、老齢厚生年金ですから、ほぼ年金だけで毎月の生活費をまかなうこともできるかもしれません。

公的年金が支給される65歳までの5年間の生活費はざっと1100万円ほど。これを貯蓄から捻出するとすれば、残りは1230万円。老後に発生する可能性のある住宅の修繕・リフォーム、クルマの買い替え、医療・介護費用などをここから捻出すると考えると、余裕があるとは言えませんが、資金不足で大きく困ることはなさそうです。

ただし、この試算は「毎月の生活費が公的年金の受給額を超えない範囲」という条件付きです。月3万円赤字だと、30年で1000万円を超えます。また、教育費についても、私立に進学した場合や、遠方の自宅通学できない大学に入学した場合の生活費の負担は、資金的に大きなリスクとなります。ちなみに仕送り費用の平均は月8万~9万円。4年間で400万円となります。

対策としては、おそらく想定されていると思いますが、ご主人が60歳以降も働くことがもっとも現実的でしょう。状況によっては、とんとんさんがパートで働くことも必要かもしれません。少なくとも、世帯収入が途切れることがないよう、65歳までの5年間は継続して収入を得たいところです。
 

アドバイス3 住宅ローン控除よりも繰上返済の方が有利な場合も

それと、先に触れた住宅ローンの繰上返済ですが、確かに住宅ローン控除の期間を終えてからという考えが一般的です。しかし、金利、借入額、繰上返済の金額等によっては、控除期間内に行った方が効果的というケースもあります。

とんとんさんが考えられている案のひとつ、10年後の完済を目指すとすれば、繰上返済に必要な資金は624万円。また、これによって支払利息は約26万円軽減されます。しかし、例えば、支払い開始から1年後に300万円、繰上返済(期間短縮型)をしておくと、ローン控除による税金の控除総額はその分小さくなるものの、完済に必要な資金や軽減される支払利息も含めると、こちらの方が計算上は得となります。

また、繰上返済をすることで手持ち資金が減って、結果、家計リスクが高まるのであれば意味がありません。ただ、300万円程度であれば、まだ300万円が手元に残ります。貯蓄が半分に減るのが不安というのであれば、無理にする必要はありませんが、これだけ貯蓄が残れば、予期せぬ支出にも対応できるはず。また、貯蓄ペース目標は、現在年間100万円。3年でカバーできる金額です。

ともあれ、実際に繰上返済を行う際は、手数料が発生することもありますので、それも含めてどのタイミングでいくら返済すれば有利か、借り入れ先の金融機関に試算してもらうといいでしょう。

最後にiDeCoは、始めていいでしょう。積立額は上限の2万3000円(専業主婦や企業年金がない会社員)でもいいと思います。50歳でもまだ10年、積立期間がありますし、家計は堅実、貯蓄ペースも高いですから、金融資産の一部をインフレリスクに備えることは、年齢的にもいい時期です。ただし、住宅ローン控除を利用していますから、掛け金が全額所得控除になるというメリットを十分に活かすことはできません。
 

相談者「とんとん」さんから寄せられた感想

FPの方に相談したくてもなかなか信頼できる方を見つけるのは難しく悩んでいたところ、深野先生に診断していただくことが出来てとても感謝しております。住宅ローンの繰り上げ返済は時期によってもっと有利になる場合があると教えていただき、早速、金融機関に相談したいと思います。またインフレリスクに備えた資産運用も始めたいと思います。この診断に気を緩めることなくこれからも節約、貯蓄、資産運用に励みたいと思います。

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